私たちはインタラクションデザインの観点から我が国のものづくりに貢献し、産業の活性化を目指します。
今日、ほとんど製品はソフトウェアなしに考えられません。また、ユーザインタフェースが優れていて、利用体験が魅力的でなければなりません。「見た目を美しくすること」だけがデザインではありません。タッチパネルにすることが優れたインタフェースではありません。多機能になり「できることが増えること」と「人がやることが増えること」は一致しません。つまり、「できる」からと言って、人が「やる」とは限りません。
重要なことは、いかにして「人がやるか」です。そして、それはニーズや欲求の「調査」から生まれるものではありません。人々が生活の中で「やっている」ことから「発見」されるものなのです。製品を作る上でエスノグラフィが注目されるのもこのためです。
これまで日本の工学、ものづくり企業は新しい「できる」をたくさん作り出し世界をリードしてきました。現在でもまだ日本ほどの品質でものづくりをできる国はほとんどありません。しかし、「できる」が得意な日本企業は製品に「できる」をつめこみすぎてコンセプトを失い、「何をするものなのか」わかりにくい製品となり、魅力を失いつつあります。
皮肉にも、日本の「できる」は世界の有名製品の中で洗練された「する」を実現し、注目を浴びています。ただし、日本の「できる」の市場は、そのメーカーの市場以上に拡大することはできません。これではリーダーシップをとれないのです。
日本、そしてこれからの世界に必要なのはインタラクションデザインです。人々のアクション、アクティビティを的確に捉え、意味づけし、システムと有機的に結びつける製品開発。人々の「する」を観測し、科学する。「生活を開発する」視点でのものづくり。「できる」があふれた日本が、見落としてきた「する」のエンジニアリング。研究者、企業、エンジニア、デザイナーが集い、この課題に取り組むのがインタラクションデザイン研究会の使命です